【呪術廻戦・ハイキュー・文スト短編集】caramel
第2章 おにぎり【呪術廻戦狗巻棘】
香菜side
ふと目が覚めると、天井が目に入った。
ばっと体を起こせば、白い布団。
なぜここにいるのかわからなくて思い返せば、自分の好きな人に抱きしめられた記憶が蘇り、恥ずかしさで顔を手で覆った。
と、気づいたところでハッとする。
ということはここまで運んでくれたのは棘くんではないか?
重かったよね……?っていうか抱きしめられちゃったっ!泣いちゃうし……ほんとに恥ずかしい……これからどんな顔して会えばいいんだろう……
あちらからしたら、慰めるためだけかもしれないが、恥ずかしい姿を見せてしまったと悶えてしまう。
でも、恥ずかしさもあるが、嬉しさもあった。
ついでに言うと、こんな夢を見た。
棘くんに告白をして、棘くんにおでこへキスをされる夢。
なんつー夢だと自己嫌悪で頭を抱える。
『現実に起こったらいーのになぁ……』
「なにがだ?」
『ひゃあ!?』
真横から聞こえた声にビックリして声を上げる。
そこには真希がいた。
「そんな驚くなよ。」
『だっていきなり現れるから……』
「あ?元から居たぞ。私は。」
『え?どの辺から!?』
「香菜が起きてからずっと。悶えてるてことか挙動不審のとことか。」
そこから見られていたのか…
『あのさ、真希ちゃん…私運んでくれたのって、棘くんだったり…』
「あ?そうだけど。」
その言葉にあぁぁやっぱりそうだよね!と頭を抱える香菜。
それを見て若干引き気味になる真希。
『そっか…これからどんな顔で棘くんに会おう…恥ずかしいよほんと……』
「別に、普通でいいんじゃねぇか?っていうか、棘も満更でもなさそうだったしな…」
『へ?』
「いや、何でもねぇよ。それより、お前は早く体調整えろよ。…自主練、いつでも付き合ってやるから。」
そう言って立ち上がる真希に、涙ぐんだ香菜が『真希ちゃん…!大好き…!』とくっつく。
「バカお前離れろ!」と顔を赤くした真希はそのまま医務室から出ていった。
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医務室を出た真希が思い出すのは、香菜を運ぶ時の棘の顔。
それは
まるで大切なものを見るような、幸せそうな顔だった。
END