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イケメン王宮真夜中のSPY

第7章 足枷



「…私…ルイ様の事…もっと知りたいです…」

あぁ

私ったら何を言ってるんだろう…

「いいよ…教えてあげる…」

窓から差し込む鮮やかな日差しの中

私とルイ様は唇を重ねた


腕いっぱいに抱えた書類が音を立てて落ちていく

「あ…」

私はしゃがみ込み落とした書類をかき集めていく

ルイ様も一緒に書類を集めてくれた

「ありがとうございます…」

「ごめん…まだ公務の途中なのに…」

「いえ…そんな事…」



「珍しい組み合わせだな」

ルイ様の表情が険しくなっていく

「シド…」

振り向くとシドが立っていた

最悪……

「またね…クロエ」

ルイ様はそのまま去ってしまった

「何でまだ此処に居るんだよ、
婚姻が決まっておまえの任務は終了だろ?」

シドは薄ら笑いを浮かべていた

「関係無いでしょ…」

私は無視しようとした

「待てよ」


ドンっ

「うっ…」

怪我を負った肩を掴まれ壁に叩き付けられた

「おまえこんな傷まで負って何してんだよ
こっち側に寝返ったか?」

痛い……

傷口から血が滲んでいく

私は歯を食いしばり耐えた

「…っ私は…自分の意思で…残るだけ…」

「違うだろ…本当の事言ってみろ……
帰っても居場所が無いだけ…だろ?」

「黙れ!!」

私は涙を滲ませて声を張り上げた
廊下に響きわたる

悔しい…

この男はどこまで私の事を知っている……?

「おまえ…俺との契約忘れたのか?」


!?


誰かの足音が近づいてくる

「おっと、此処までだな」

シドは私を離し去って行った

私は血の滲む腕を抑え荒い呼吸を繰り返した
動悸が収まらない…

「クロエ!」


「ジル様…」

ジル様は血の滲む傷口を見て眉間に皺を寄せた

「すぐに医務室へ…私が付き添います…」

私から書類を取り上げ労わるように怪我を負っていない肩に腕を回した








私の足枷は外れない…

自分の意思で動く事は許されない…

ウィスタリアに残ってもシドに弄ばれてしまう……











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