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イケメン王宮真夜中のSPY

第9章 翻弄される宿命


トントンっ


「失礼します」

扉が空き今一番会いたくないジル様が現れた

「ジル様…」


「様は付けなくて結構です…あなたは明日からウィスタリアの女王です」

私はベッドのシーツを握り締めた

「あの…ゼノ様とユーリには…話しはしたのですか?」

「もちろんです……シュタイン国王はご自身の名誉の為…あなたを此処に置き去りにしたようですね」

ジルは薄ら笑いをしていた…

「そんな……ゼノ様は…」

言葉が見つからない

ゼノ様が下した判断だ

こうする以外何も今は手が打てないだけかもしれない…

「あなたには…そのいやらしい身体を存分に利用した政治を行って頂くつもりです……賢いあなたなら其れがどんな意味かお判り頂けますね?」


なにそれ…

シーツを握り締める手に力が入る


「そんなの……出来る訳ないじゃない!」


「出来ますよ、媚薬なんか頼らずともあなたは実に淫らな人です……シドの打った注射は只のビタミン剤ですから」

!?

「嘘……でしょ……」

私は動揺した

まさか…

そんな事って……


「……女王側近の私がタップリと可愛がって差し上げますよ………クロエ…」


ジルは怪しく微笑んだ






これからの生活に不安を感じながらも
淫らな事を期待している私がいる………



この罠からは抜け出せない……




明日からは私がウィスタリアの女王クロエ……




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