第5章 屈辱と絶頂
バスローブを羽織り私はユーリの隣りに腰掛けた
「もー紅茶冷めちゃったよ」
「いいの、ありがとね」
私はティーカップを手にとり紅茶を飲んだ
「ゼノ様…怒ってなかった?」
「なんで?」
「実は…俺、クロエがウィスタリアに行くって聞いてゼノ様に頼みこんで一緒に来たんだ」
「そうだったの…怒ってなかったよ、良く調べ上げたって…言ってた」
「そっかー早く帰ってゼノ様に会いたいな…」
言わないと…
新しい任務を
「あのね…ユーリ、もうスパイ活動は終わりなの」
「じゃあ、俺たちシュタインに帰れるんだね!」
私の手を握り喜ぶユーリを他所に私は…
「違うの……ゼノ様がプリンセスに婚姻を申し込んだの、だから婚姻するようにプリンセスを仕向けるのが次の任務」
ユーリは俯き溜息をついた
私もゼノ様が婚姻って言葉はあまり言いたくない、胸が痛む
「そーゆー事か…なかなか難しい任務だね、ルイ様と良い感じになってるし…プリンセス頑固なところあるからな〜」
「……うん」
「……クロエは大丈夫なの?」
不安そうに顔を覗かれた
「大丈夫って…何が?」
「まだ………ゼノ様の事っ」
私はユーリに唇を重ねてその先の言葉を塞いだ
「ユーリの事……愛してるって、言ったでしょ…」
「ごめん…俺、不安で……クロエの事支えてくから、大好き」
優しく抱き寄せられ私は目を閉じた
「もう、寝ようか…明日も朝早いでしょ?」
私はそう告げるとユーリと手を繋ぎベッドに入った