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イケメン王宮真夜中のSPY

第5章 屈辱と絶頂



「疲れた…」


溜息混じりに呟き
私は自室の扉を開けた



「おかえり!」


「わっ!!ユーリ!?」

ユーリは可愛らしい笑顔を向けていきなり抱きついてきた

可愛いな……

「ただいまのキスは??」

猫なで声を出し甘えるよう耳元で問われる

「ただいま」

私はユーリの髪に手を添えて唇を重ねた



「疲れたでしょ?今、紅茶入れるからクロエは座って待っててね」

「ありがとう」

ユーリは私の腰から手を離し扉を開けてキッチンへ向かって行った


扉が閉まるのを確認すると私は浴室へ向かい服を全て脱いだ


トントンッ

程なくして扉をノックする音が聞こえ
私はユーリだと思い
バスタオルを身体に巻いて扉を開けた

「ユーリっ…!?」



違う…


シド……

「よう、こんな格好で出迎えとは準備が良いな」

私は扉を閉めようとした

「待てよ」

「帰って!」

「あぁ、今日の所は帰ってやるよ」

「なっ!?」

私は巻いているバスタオルの胸元に一枚の紙切れを挟まれた

「じゃあな」

扉を勢い良く閉め
動悸が激しい胸を抑えた

ユーリと鉢合わせるのだけは避けたい……





私は挟まれた紙切れを確認した


「初仕事は明日の深夜0時だ
場所は…」

小声で読み上げていく


トントンッ


「ぁっ…」


ユーリが帰ってきた

私は紙切れを握り
急いで浴室に入った


「クロエー?」

ユーリは私を探し浴室の扉を開けようとした



私は咄嗟に鍵を閉めた

「すぐ出るから!待ってて」


「えー!俺が洗ってあげるよ」

「大丈夫だから!」

「もしかして照れてるー?」

ユーリのからかうような楽しそうな声が飛んでくる

「お風呂くらい1人で入れるから!」

「ちぇっ…じゃあ早く出てきてね」


ユーリが去っていく足音が聞こえ
私は紙切れにもう一度目を通した

初仕事…
抱かれるって事か……

場所は…
町外れの路地裏に入った酒場

酒場って
酒が入って無いと緊張して抱けないって事?

ぷっ

変な男……

私は心の中で毒を吐いた

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