第3章 考察
馬車の姿が見えなくなるのを確認すると
突然ユーリに肩を掴まれ城門に背を打ち付けられた
ガシャン!!!
城門が揺れる
「痛っ!」
打ち付けられた痛みに眉を顰めてユーリを見た
「何あれ………どーゆー事なの?」
ユーリは怒気を含んだ低い声で私を睨みつける
「何って……」
私は見たことの無いユーリの姿に言葉が詰まる
「昨日…クロエが倒れたって聞いて心配で医務室に行ってもいないし、ずっとクロエの部屋で朝まで待っても帰って来なかったし…何処で何してたの?今のキスは何?」
捲し立てるように言われ
ユーリの手に力が入る……
痛い…
「…わかった、ちゃんと説明するから離して!
こんなところ誰かに見られたら…」
「でも!」
興奮しているユーリをどう説得したら良いかわからない…
これはマズイ……
そう考えている矢先だった
「そんな扱い方じゃ嫌われるぜ
女の扱い方…教えてやろうか?」
背後から声が降ってきた
私は咄嗟に振り向き
ユーリは私の肩から手を離し斜め上を見上げた
いつから見てたのだろうか城門の傍から背の高い男が出てきた
私はこの男を知らない