第4章 美風藍【うたプリ】
「あやめ、そこで深呼吸しないで」
「藍の匂い」
「あやめ」
「すきなんだもん」
「……はいはい」
とん、とん、と規則的に背中を叩く藍の手が心地良い。以前の藍なら間違いなく背中腫れるくらい叩いてたけど、今は心地良い。
「ねえ、藍」
「なに」
「藍……誕生日おめでとう」
「……急だね」
「日付跨いだから」
「……気にしてたの?」
「そりゃあね。1番に言いたかったから」
「ありがとう」
「藍」
「あやめ」
「藍、すき。だいすき」
「ボクは愛してる」
「ずるい」
「ずるくないよ」
「ずるい、藍、すき、だいすき、愛してる」
「立て続けに言われると、ありがたみが薄れるなんて、聞いたことがあるけど」
「けど?」
「そんなことないね。ボクは何度でも言って欲しい」
「藍、だいすき」
「ボクも大好き」