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同期の仲

第2章 ある日の雨乾堂にて





──氷室水月──


現世からの流魂街からの現世。


現在進行形で現世を担当している十三番隊の隊士が何か用事があるとかで2日間代わりを務め、尸魂界へ戻ったら流魂街に虚が出現したため討伐へ向かい、帰ろうと思ったら霊術院の現世実習に付き合わされ近くに虚が居たのでとりあえず討伐。


それらが終わりようやく帰ってくることができた。さすがに疲れた。眠い。


不眠不休と言うわけではないが、布団に入って寝ることができなかった。白狼に出てきてもらって枕代わりになってもらったが、ちゃんとした睡眠は布団に限る。


目の前に居る浮竹へ報告しているときも襲ってくる眠気と戦いながらだ。


一通り報告が終わると浮竹によってあれよあれよと布団の中へと押し込まれた。眠気に襲われているのに気付いていたらしい。


布団で横になると今まで襲ってきていた眠気が一気に押し寄せてきた。加えて浮竹が頭を撫でてくるので心地よさが倍増。さらにこの雨乾堂の静かで穏やかな空気で瞬く間に眠りについてしまった。


四半刻も経ってないとき、見知らぬ気配を感じて目が覚める。次に何かが落ちて何かにぶつかる音。浮竹は居ないのか気配がしない。


少し目を開けて見ると、見知らぬ隊士が居た。たぶん十三番隊の隊士だろうけど、見たことがないから新人かな。手に書類と思われる束を持っているから、浮竹に届けにきたのだろう。


とりあえず座卓の方を指差すも動かない。隊士の持っている書類を指差すも動かない。早く置いて戻ればいいのに。


そう思っていると、どこかへ行っていた浮竹の気配が近付いてきた。布団の横に座ると先程と同じように頭を撫でてくる。


私は眠いのに隊士に紹介しようとしてるため「眠たい寝かせろ」と心の中で思いながら浮竹へ圧をかけると、書類を受け取り隊士を帰した。


「性格が少しアレだが、悪いヤツじゃない。今度改めて紹介するよ」


隊士が帰る前にこう言った。


「性格」は否定しない。人見知り、嫌なことは顔に出る、言葉を選ばない、の三拍子が揃っているのだから。


「悪いヤツじゃない」は否定する。「悪いヤツ」の反対は「良いヤツ」だけど、私は「良いヤツ」ではない。「悪いヤツ」側だろう。「良いヤツ」とは浮竹や京楽のような人のことを言う。


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