第3章 変化
さくらはそっとポケットに入れていたピアスを取り出した。
「好きなんです。あなたのことが。気分転換に行っても、あなたのことばかり考えてしまうくらい。こんなもの買って、ずっと肌身離さず持ってしまうくらい、、、ッ。引いちゃいますよね、、、あんな、あんな1度のキスくらいで、、、ホントにガキくさくて、困っちゃいま、、、」
言い終えるより先に、その身体はダイナマイトの身体に包み込まれていた。
「、、、そんな事言うなっつーの。俺だってなぁ、俺だってずっと忘れられなかった」
「、、、グス、、、でも、別の人とキスしてた、、、ッ」
厚い胸板に責めるようにしがみ付く。
「あれはッ、、、悪かった。言い訳になるが、俺にその気はねェ」
「、、、」
「何度だって言う。俺が好きなのはお前だけだ。分かったな?分かってねェなら、無理矢理にでも分かれ」
「、、、ぷッ。めちゃくちゃ言ってるのはどっちですか」
まっすぐな瞳と強引な論理に泣きながらも笑ってしまう。
その胸に顔をうずめると、ギュッと抱き返された。
「ちなみに、、、さっきの言葉に、間違いはねェんだよな、、、?」
「?」
頬を掻きながら、ダイナマイトが言う。
さくらには何の話だか分からなかった。
「俺のことが好きってやつだよ!!分かれよ!それくらい!」
赤くなった顔でダイナマイトが怒鳴る。
さくらは今更ハッとする。
そういえば、私、勢いで好きって何回も言っちゃった気がする、、、!!
途端に紅潮する頬。さくらは思わず顔を隠した。
その瞬間に、ベッドの上に押し倒される。
「!!」
「もう後悔しても遅ェからな」
「あ、あの、、、ちょっと、待っ」
突然のことに困惑した口は、強引に塞がれた。
「っ、、、」
しかし熱い唇は思いの外すぐに離れて、さくらは呆然とする。
ダイナマイトはニヤリと笑って言った。
「言ったろ?テメェの気持ち聞くまで2度目はねェって」
「ッ、、、」
「だがもう遠慮する必要ねェよな?」
月の光に照らされてダイナマイトの瞳が赤く光った。