第3章 変化
「じゃあな。すぐに人を呼ぶ。、、、大事にしろよ」
さくらの耳元で囁くように別れを告げて、
その場から去ろうとした。
これで、最後だ。
そして離れようとした爆豪の頭にさくらは頭突きをした。
「嘘付きッ!!!」
「ッ!!」
額を押さえながら、驚きで目を見開くダイナマイト。
許せなかった。
さくらは頭を押さえながら、その赤い瞳を睨みつけた。
「絶対に守るって言ったじゃないですか!約束破るなんて、、、私のこと置いていくなんて、、、ヒーロー失格!泥棒の始まり!!」
「ンなッ!テメッ、何をバカ言って、、、!」
「バカはそっちです!何も知らないくせにッ!」
「ハァ!?バカはテメェだ!めちゃくちゃ言ってんじゃねェ!俺はテメェに怪我させた!その時点でもう、ヒーローなんかじゃ、、、」
「ヒーローです!!私にとっては、たった1人の、、、っ」
ダイナマイトの言葉を遮って叫ぶ。
頭の痛みと胸の痛みで涙が出てくる。
「忘れられないヒーローです。そりゃめちゃくちゃ言いますよ。初めて会ったときから、、、もう、私の人生めちゃくちゃなんです!!」
「ハァ?」
「私、誰も好きになんてなりたくなかった。そんなの簡単だって思ってたのに。ひっく、、、あなたは何度追い出しても頭から離れなかった、、、何なんですか、ほんとにもう、、、ッ」
「お、おい、、、」
「好きになっちゃいけないのに、、、一緒にいたいなんて、こんな個性で思っちゃいけないのに、、、あなたがキスなんかするからッ、、、!あなたがあんな顔で笑うから、、、ッ!」
「ちょっと落ち着けって、、、」
「好きすぎて、どうしようもなくなって、轟さんの前で泣いちゃうし、、、それで2人ケンカみたいになっちゃうし、、、。それで自分が怪我したのに、何でダイナマイトのせいになってるんですか!!?ホントにバカですよ、、、!!」
「、、、」
その言葉に固まるダイナマイト。
さくらはそんなダイナマイトに向かって笑いかけた。