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【ヒロアカ】マイスーパーヒーロー

第3章 変化


泣かないで。
ねぇ、、、笑ってよ。ダイナマイト。
いつもみたいに。


私、ただ、あなたと一緒に笑っていたかったの。


「、、、」


目覚めると、そこは救護室だった。


「いた、、、っ」

起き上がろうとするとズキっと頭が痛んだ。
頭に触れると包帯が巻かれていた。
外はすっかり夜になっている。
カーテンの隙間から月の光が漏れていた。



「夢じゃなかったんだ」



苦しそうにダイナマイトが泣いていた。
あれも、、、?


「そうだ、ダイナマイトッ!!」


思い出してハッとする。

ダイナマイトは、無事なの、、!?探しに行かなきゃ、、、ッ!


ベッドから降りようとした時。


シャッ!と囲いのカーテンが開けられた。


「あ、、、っ」

「何してんだよ、バカ!大人しく寝てろ!」


その声に、その姿に涙が溢れる。


「ダイナマイト、、、ォ」

「ったく、無茶苦茶な野郎だ」


その腰に抱きつくと、言葉とは裏腹に優しく頭を撫でられた。


「どこ行くつもりだった?」

「ダイナマイトを探さなきゃと思って、私、、、ずっと探して」

「大丈夫だ。ここにいる」

「ダイナマイト、大丈夫?痛いとこない?」

「それはこっちのセリフだ、バカ」

「う、、、っ」


さくらを落ち着かせるように、しゃがんだダイナマイトに抱きしめられる。
さくらはたまらず、その首に腕を回した。


ダイナマイトの温度、匂い。全部全部、ちゃんとダイナマイトだ。


見た目の割にフワフワと柔らかい猫っ毛が頬に当たる。
その全部にホッとする。


「ほら、横になっとけ。リカバリーガールは軽い脳震とうだっつってたが、、、」


さくらをベッドに戻して、ダイナマイトの言葉が途切れる。
不思議に思って見上げると、赤い瞳が泣き出しそうに揺れていた。


「、、、悪かった。こんな目に合わせて」


弱々しい声に不安になる。


「そんなことない、、、ダイナマイトは悪くない。私が、、、私のせいで、、、」

「俺のせいだ。俺がケガさせたろ?」


穏やかな表情に胸が騒ぐ。


「悪いな。嫌な思いばっかさせちまって。もう、お前の前に現れんのはこれで最後にするから。、、、目が覚めて良かった。それだけ、ちゃんとしときたかったんだ」


ダイナマイトは笑った。
覚悟を決めたように。
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