第3章 変化
「チィッ!なっんで俺がしょーもねぇ会合なんかに出ないといけねぇ!!」
爆豪は、シューッと手から煙を出しながら、明らかに不機嫌な様子で協会中庭を歩いていた。
怯えながら上鳴が言う。
「ちょ、爆豪さぁ、どこに誰がいるか分かんない状況でそういうことあんまり大声で言うなって!」
「アァン!?」
「ヒッ!」
昨日、あの件の後、無言で帰った爆豪だったが、今朝になってみるとずっとこの調子で周りに当たり散らしていた。
ウンザリした上鳴は溜息をついた。
「ったくよー、さくらちゃんにあんな場面見られちまって、気持ちは分かるけどさぁ」
「ハァン!!?」
ヤベッ、地雷だった!
上鳴は急いで口を押さえた。
その時、突如目の前に人影が現れた。
「ア゛!?何だコラァ!」
ガンを飛ばす爆豪。それは轟だった。
「お前。まさかそんな調子でさくらを泣かせたのか」
「ハァン!?誰が誰を泣かせたってぇ!?」
轟の発言にボン!と一発、手を爆破させる爆豪。
なんだコイツ。よりにもよってこんな時に出てきやがって。
っつか、アイツのこと呼び捨てにしてんじゃねェ!
「さくらの様子がおかしい。お前の話題を出したら突然泣き出した」
轟も手から炎を出した。
鋭い視線で爆豪に問う。
「お前、一体何をした」
「テメェには関係ねェだろが!!」
今にも戦い出しそうな2人の間に上鳴が割って入った。
「ちょ、ちょいちょい!爆豪、落ち着けって!轟も、あれは爆豪のせいじゃなくて、事故みたいなもんで、だから、、、わッ!!」
キン!と上鳴の足元が凍る。
「「うるさい、外野は黙ってろ!」」
「、、、は、はいー」
2人に凄まれて、上鳴はおずおずと後ろに下がった。
「さくらの気持ちを知らないとは言わせない」
「ハァ?何のことだ!」
「その体に教え込まねぇと分からないみたいだな」
「ハッ!ちょうどいいぜ。今ムシャクシャしてんだ。テメェ、サンドバッグになってくれや!」
「それはこっちのセリフだ。灰になるか一生氷漬け。どっちが望みだ」
ダメだ。完全に頭に血が昇ってる。
この2人がこんなとこで暴れたらまずいって!
ってか、こんなことが上に知られたらぁあ!!
バチバチと火花を散らす2人を残して、上鳴はサッとその場を離れた。