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【ヒロアカ】マイスーパーヒーロー

第3章 変化


動いた反動で目に溜まっていた涙が零れる。

「あっ、これは、ちが、、、っ」

「、、、」

轟の視線が痛い。
さくらは顔を隠して笑った。


「あはは、おかしいな。気にしないでください。大したことない、ですからっ、、、ホントに何でも、、、」



大したことない?
何でもない?
自分で言った言葉が胸に突き刺さる。


「あれれ?おかしいな。何で、、、」


うまく声が出ない。
うまく笑えない。



大したこと、だった。
私には何でもなくなかった。




生まれてはじめてのキスだった。




拭っても拭っても止まらない涙に、下手な笑顔。


「すみませんっ、かっこ悪いですね、、、すぐに止めますからっ!」


関係ない轟さんにこんな顔をさせてしまっている。早く、早く止めなければ。
それなのに止めようとすればするほど、余計に溢れてくる。



「、、、アイツと何かあったのか?」



アイツ、そう言われてハッとする。



何度も何度も頭の中から退けては浮かんでくる。
その理由をずっと考えていた。



「、、、ッ!!」



考えなくたって、こんなにハッキリしていたのに。
こんなことになって初めて気付く。
気付いたところで、もう遅いのに。





私、ダイナマイトのことが大好きだった。




ずっと、出会った時からきっと。




「そんなになるほど辛かったんだな」





こんなになってしまうほど、好きになってた、、、





「わかった、、、」

「ちが!!ちがうんです!私が遅くてっ、、、ちゃんと考えてなかったから、、、悪いのは私で、、、っ!!」



手を振って、被りを振って、轟に言った。


ダイナマイトは悪くないと。


そう言ったつもりが、すでにそこには轟の姿は無かった。




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