第3章 変化
「んん?」
「わっぷ」
もうすぐヒーロー協会に着く。そんな時、お茶子が急に立ち止まった。
「あっ、ごめん、さくらちゃん。なんか前に人だかりができててさ」
「えっ?」
お茶子に言われて見てみると確かに前の方に沢山の人が集まっていた。
「ボーッとしてたから気づかなかった。有名人でもきてるのかなぁ?」
「えっ!有名人!見たい見たい!私達も行ってみよう!」
「えっ!ちょっと、お茶子さん!?」
お茶子に引かれて走り出す。
人混みを少しずつ避けながら前へ進む。
お茶子さん、けっこう積極的だなぁ、、、!
「もう少し、、、もう少しで、、、よっと!!」
最前列まで行ってお茶子が止まる。
有名人、いたのかな?
「お茶子さん、誰かいました?」
すみませんと言いながら人混みを抜ける。
お茶子の顔を見上げて、その視線の先を見る。
そこにいたのは
「ダイナマイト、、、!」
上鳴とダイナマイトだった。
ん、、、?
あと1人、女の子がいる。
誰だろう?
さくらがそう思った時、向こうもこちらに気がついた。
「あ゛!?麗日!!と、、、」
「さくらちゃんじゃん!!」
上鳴の明るい声とは裏腹に、さくらに気が付いて目を逸らすダイナマイト。
さくらの胸がズキンと痛んだ。
「あ、偶然だねぇ!」
「何々?2人でデート?」
「そだよー、今帰るとこ。はは」
お茶子がさくらの様子に気付いて、気まずそうに笑う。
「もしかしてアナタは!!」
そんなお茶子を見て、さっきの女の子が近づく。
「やっぱり!ウラビティですよね!?」
「え、えーと、そうだけど?」
わ、この子、めちゃくちゃ美人!
しかもスタイルも良い!!モデルさんみたいだ!
さくらは思わず見惚れた。
「私、この間のビル火災の時に瓦礫の下敷きになりそうだったところを助けてもらって!きゃー!こんなところでウラビティにも会えるなんて!あの時はありがとうございました!!」
「あっ!あの時の!?良かった!元気そうだね!!」
「はい!めちゃくちゃ元気!今ちょうどダイナマイトにもお礼を言ってて〜」
自分が助けた人に直接礼を言われてお茶子も嬉しそうだ。
さくらはその様子を少し離れた所から見ていた。