第3章 変化
「私は、、、誰も好きになったりしません」
頭の中に浮かんで仕方がない顔を消して答える。
「え、、、」
できるだけ笑顔で答えたつもりなのに、お茶子の顔が曇る。
さくらは焦った。
「あっ、だって私の個性が遺伝しちゃうと困るし。皆の迷惑になっちゃうから!でも全然ヘーキなんです!だって私、今まで恋愛に縁なんてなかったし。それでもほら!楽しく生きてますし!」
フン!と鼻を鳴らしてケーキを頬張る。
「、、、ホントに?」
お茶子の真剣な瞳に捉えられる。
「それはさくらちゃんの本心なの?」
本心、、、?それはなんだろう?
「だって、私の個性なんてこの世から無くなった方がいい、、、」
ケーキの味が分からなくなった。
「それはさくらちゃんの気持ちじゃないよね!?」
お茶子が声を荒げる。
お店の視線がさくらたちに集まった。
「、、、」
黙り込むさくらに諦めたようにお茶子は微笑んだ。
「ごめん。大きな声出したりして。でもさくらちゃんにもちゃんと考えてほしいんだ」
「、、、」
「他行こっか」
お茶子に手を引かれてさくらは店を後にした。