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【ヒロアカ】マイスーパーヒーロー

第3章 変化


「お前、、、」

「ダイナマイト、、、」


神妙な顔をしたさくらがそこに居る。
そしてその小さな口を開く。


「あのっ」


な、何だ?まだ何か俺に文句があるってか?
身構える爆豪。


「ちょっとだけ休戦しませんか?」

「、、、」


さくらの言葉が理解できない。

「、、、は?」

「ケンカは少し休憩」

そう言って気まずそうに笑ったかと思うと、ベッド横の椅子に腰を下ろすさくら。


「何だよ?」


茫然とする頭で尋ねる。
嬉しいような困ったような、そんな感情が渦を巻く。


「なんか、ダイナマイトと話したくなっちゃいました!」


けろっと笑って照れたように言う。


「、、、んだそれ、仕方ねぇヤツ」


爆豪はさくらのように素直にはなれなかった。
けれど思わず口角が上がった自分に気付いていた。


窓からは少しずつ赤くなりかけた光がさして、空気はどこまでも穏やかで。


「はぁーっ、リカバリーガールが居ないと忙しくて忙しくて!」

「そーだろうな」

「疲れましたーっ!」

「ハッ、何だ、もう諦めんのか」


爆豪のベッドに無邪気にもバタッと倒れる姿がこの上なく可愛い。


「違います!」

「何で?テキトーにやってりゃいいんじゃねぇの?」

「私、決めたんです。ダイナマイトと同じように、、、とはいかなくても、ダイナマイトが戦ってる時に、力になれる自分になりたい。あの時、そう思ったんです」

「あの時?」

その目にまっすぐ見つめられる。
黒目がちな瞳に夕日が差してキラキラした。


「ダイナマイトがその怪我をした時、見ているだけの自分が許せなかった。だから今度は私もここで一緒に戦えるように、ちゃんと助けられるように、頑張るって決めたんです」

「、、、」

「ああっ、やっぱりダイナマイトの隣はなんだかホッとしちゃって話し過ぎちゃう!、、、だけど」


突然恥ずかしそうに赤くなる彼女に何かが砕けた。


「できれば、その応援して、もらえませんか、、、?」


そのキラキラと輝く瞳に吸い寄せられるかのように、爆豪の身体は勝手に動いていた。


返事をするのも忘れて。


静かに、そっと。
目を閉じて。首が傾いて。


愛しさが溢れて。ただ近づきたい。


気がつくと、その小さな唇にキスを落としていた。


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