第15章 青の日々 (及川徹)
大男4人に囲まれてるのにニコニコとまっつんたちと話す彼女。
ん?ニコニコ?
待って何でまっつんたちに笑顔向けてんのさ!?
「だめっ!」
『え?』
彼女の手を引いて自分の腕の中に収める。だってまっつんたち距離近いんだもん!
「2人がちゃんのこと好きになっちゃうからダメ!そんな可愛い顔で笑わないで!」
『何言ってるの?そんな馬鹿なこと言ってるの及川だけだから安心してよ。』
「うーん、それはどうかな〜?ちゃん可愛いし?それにいい匂いするし俺はけっこうタイプだなぁ」
「ちょっっとまっつん!?距離近い離れて!歩く18禁め!!」
『人にそんなこと言う前に離してもらっていいかな』
「あっごめん!」
腕の中の彼女がするりと抜け出して岩ちゃんの制服の裾をクイッと引っ張った。
「どうした?」
『牛乳ぱん。』
「あぁ、俺も買うもんあるから一緒に買ってきてやるよ。お前は潰されるから花巻んとこ行きな」
「ちょっとなんでマッキーに任せんのさ!?及川さんがいるでしょうがあ!」
「あ?お前も買うもんあんだろ?俺は買ってこねえぞ自分で行けや」
「選ばれたのは岩泉でした〜笑」
「あと俺なー?」
ケラケラと笑うまっつんの横でちゃんの肩を抱いてドヤ顔のマッキー。キイイ!ムカつく!
「クソ川ァ!行かねえなら置いてくぞ!」
「…っいやもう置いてってるじゃん!?」
ズンズン人混みに消えてく岩ちゃんを追いかけて俺とまっつんも激戦の購買ブースへと入る。マッキーと2人きりで置いてくの不安なのですっぐ戻ります!!
「今日人多くない!?」
「なんか1年ぶりに限定30個?とかでピンクのメロンパン売ってるんだって。それを好きな人と食べると恋が叶うとかなんとか〜及川ちゃんに買ってけば?笑」
まっつんは半笑いだけどそれを聞いて俺はちょっと興味が湧いた。迷信だって分かってても試して損はないしなーって。陳列棚を見るとラス1ぽい。それを狙って皆押しあってる。
「おかえり〜ってなになに及川なんでそんな疲れてんの」
「いや…っべつに、ちょっと…っなんでもない…ッ」
ラスイチGETしちゃったもんねーだ!頑張って手伸ばしてた女の子たちには悪いけどこのスラリと伸びた腕のおかげでGETできましたあ!もみくちゃにされたけど問題なしー!