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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第14章 初恋の君と (角名倫太郎)



『はぁ〜美味しかった!角名くんありがとっ』

「俺も食べたかったから全然だよ。」

『角名くんはどこか見たいとこないの?』

「あー…あ、じゃあ1つお願いがあるんだけど」

フロアガイドにトン、と指を置いて彼女の顔を覗き込む。

『ここ行きたいの?』

「うん。プリクラ撮りたい。」

『プリクラかぁ』

仮にも彼氏いるしプリクラはさすがに無理かなぁ。でも撮りたいしなぁ…こんなときじゃないと機会ないし。

「彼氏さん?の許可が必要?」

『うーん…変なところで怒るからさ…私もよく分かんなくて。』

「じゃあ内緒にする。あの人には絶対バレないようにするからお願い。」

『…さっきワガママ聞いてもらったしね。うん、撮ろう角名くん!』

「やったね」

高校生の男女が2人でプリクラなんてカップル確定演出みたいなもんでしょ。絶対スマホのカバーに入れよっと。どうせあの男には会うこともないし大丈夫でしょ。

『ここは私に払わせてね、さっきのお返しにしては安いけど…』

「ありがと、お言葉に甘えるね」

背景選びは全部彼女に任せた。最近の流行りは全部白なんだよって。中に入ってからは音声ガイドに従って同じポーズをしてみた。2人でハートとか、ちゃんは戸惑ってたけどこんなのやるしかないでしょ。小さな手にハートを半分作ってもらって俺もそれに合わせるようにもう片方を作った。

他にも俺がちゃんのほっぺを片手でむぎゅっとしたり、ツン と指で頬に触れてみたり、後ろから包むようにハグをしてみたり…って全部俺の一方通行じゃん…!!

撮り終わって落書きコーナーに移るとさっき撮ったものが画面に映っててなんか少し恥ずかしくなる。だって俺分かりやすすぎるでしょってくらいちゃんにべったり。

『ふははっ、なんか角名くんの方が彼氏みたいだ笑 先輩とはこんなのした事ないからさ〜笑』

「ごめんちょっとテンション上がっちゃって…」

『ううん、これもまた思い出だね〜』

俺の方が彼氏みたい、なんて言うくらいなら本当にそうしてよ。俺をちゃんの彼氏にしてよ。あんな奴じゃなくて俺といる方がずっと楽しそうじゃん。
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