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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第14章 初恋の君と (角名倫太郎)



「休憩しよか」

北さんの一声で全員がコートから掃けて1年生が軽くモップをかける。俺は真っ先にちゃんのところへ。

「ちゃーん」

『はあい』

「俺さっきタオルどこ置いたっけ…」

『あ、えっとね…はい!』

「ありがとう」

どこに置いたかなんて侑じゃあるまいしちゃんと覚えてる。分かってていつも聞くのは話す口実が欲しいから。

『汗たくさんかいてるね、よいしょ…っ』

俺に1歩近づいた彼女が背伸びをして首元の汗をトントン、と優しくタオルで拭ってくれた。

『さっきのブロックかっこよかったよ角名くん』

「へ…あ、?」

俺多分今変な顔してる。無理。なにこれ。そんな優しい顔で褒められたら心臓がもたない死んじゃう…好き。かっこよかったって…無理心臓めっっちゃバクバクいってんだけど…!!

『角名くん?』

「っごめん、えと…俺かっこよかった?」

『うん!かっこよかった!』

「っっっう"」

「ちゃんやめたって!角名息しとらんでオーバーキルやから!!?」

『え、ごめん角名くん…!?』

おろおろとしているちゃんが可愛すぎて思わず手を取って自分に引き寄せた。

『???』

「可愛すぎる…無理…」

「アランくーん!!角名が壊れたぁあ!!」

「なんやなんや!!…なにしとんねん!?おい角名!さん困らせたらあかんて北に言われたやろが!」

「なんや騒がしいな…角名、何しとんねん」

あー…やばい北さんだ。うーんでもちゃんを離すのは名残惜しい…。

「あ、そやさんちょっと頼みがあるんやけど」

『っは、はい…っ!』

俺の腕からするりと抜けて北さんの話に耳を傾ける彼女。一生懸命話を聞いてるちゃんも可愛い。

「部活の備品が足りんくなってきて買い出し頼みたいんやけど、1年連れてってもええしお願いしてええかな」

『もちろんです、部活終わったら行ってきますね!』

「終わりやと暗いやろし今からでええよ。今日はそのまま家帰って大丈夫やから頼むわ。ほな誰か1年… 「俺に行かせてください!」

1年だろうが関係ない!他の男と2人きりになんてさせない!だから行かせて北さん…!!

「じゃあ角名頼むわ」

「はい、喜んで!!」

「ここ居酒屋やった?」

っしゃあああ!
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