第14章 初恋の君と (角名倫太郎)
侑たちと別れてから2人だけの時間。
「あ、コンビニ寄る?」
『いきたい!』
家のすぐ近くにあるコンビニ。俺が昼に飲んでた期間限定のパックジュースを求めてやってきた。
「お、ラス1じゃん」
『わああっほんとだ!やったー!』
「俺もなんか飲もうかな」
『角名くんこれ飲んだことある?』
彼女が指さしたのはウーロンミルクって書かれたなんかオシャレなパッケージの小さいペットボトル。これこの前ちゃんが飲んでたやつだ。
「ううん飲んだことない」
『最近の私のオススメ第1位です』
「ウーロンとミルクって合うの?」
『合う!すっごい美味しい!』
「じゃあこれにする。それかして。」
『え、うん?』
自分のと一緒にお会計をしてコンビニをでると彼女が慌てて追いかけてくる。
『角名くんお金!私払うよ!?』
「いいよこれくらい。オススメ教えてくれたからお礼ね」
『私が勝手に押し付けたようなもんなのに…ありがとう』
「いえいえ」
ピロンッ
2人のスマホが同時に通知音を鳴らす
『侑くんがストーリーあげてる』
「さっきの写真かな」
届いた通知をタップするとみんなで撮った集合写真が載ってて "祝!! 初マネージャー!今日は登校から下校まで一緒やったで〜" と書かれている。今日撮ったどの写真も俺はちゃっかり彼女の隣をキープして距離まで詰めてる。
『こういうのなんか嬉しいなぁ。』
「俺らもちゃんが来てくれて嬉しいよ。そうだ、俺もストーリーあげよ。」
『お、なにあげるの』
「ちゃんジュース前に出して」
『うん』
ちゃんが俺に向かってジュースを持った手を前に伸ばす。それに乾杯するみたく俺のジュースを合わせて写真を撮った。顔は映さず俺の手元と彼女の制服までを映す。
"今日も一日お疲れ様"
それだけ書いて彼女をメンションした。
『お、きた!ありがと〜』
1件、2件とダイレクトメッセージが届く。
<あなたのストーリーズに返信しました>
家に帰ったら見よ。
『じゃあ角名くんまた明日ね』
「うん、また明日。朝は今日と同じ時間に待ってるね」
『分かった、ありがとう!』
またね、と手を振ってすぐ目の前のマンションへと入る彼女を見送ってから俺も自分のアパートへと入った。