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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第14章 初恋の君と (角名倫太郎)



『ごめんねお待たせ!』

校門で待つ俺たちの元へ走って来てくれた彼女が可愛すぎて叫びそうになるのをぐっと堪える。

「全然待ってないよ大丈夫。それより北さんと何話してたの?」

「あ、え、まさか俺らんことで怒られてへんよな…!?」

『え?ううん!まだ来て数日だけど正式にマネージャーやってくれないかって北さんが!』

「ほんと?それじゃあ明日からちゃん正式に俺らのマネージャー?」

『うん!明日からもお願いします!』

「ちゃんおったらほんま癒されるしバレー集中できるしありがたいわあ!」

癒されるなんて聞き捨てならない侑の言葉も嬉しくてそれどころじゃないから今回はスルーしてあげる。ちゃんなら絶対大丈夫だとは思ってたけど想像してたよりずっとアガる。明日からも毎日一緒にいられる。一緒に帰れる。

『審査付きの入部なんて初めての形式だったなあ。強豪だから?』

「あー、それはな。去年何人かマネやりたい言うてた子おってん。せやけど双子目当てやったり角名目当てやったりして全然仕事してくれんくてな。」

『あー…なるほど。』

「バレーボールと俺たちにちゃんと向き合ってくれる子ちゃうかったらマネなんてできひんやろ?雑用みたいなこともしょっちゅうやのに。そういうんがあったから北さんの審査をパスせんとマネは任せられんっちゅうことらしいわ。」

『そうなんだね。なんか自分の仕事を認めて貰えたみたいで嬉しいなぁ』

銀の説明をひと通り聞いて嬉しそうに微笑む。彼女はいつだって真摯に俺たちと向き合ってくれてるんだから認めて貰えて当然。俺を微塵も意識してくれていないのが何よりの証拠…。

「そんなら記念にストーリーあげよっと」

『記念じゃなくてもあげてるじゃん!」

「まあまあええやん!あ、アランくん写真とって!」

体育館の鍵を閉めて帰ってきた3年生組の中に尾白さんを見つけて写真を頼む侑。集合写真とか大袈裟すぎだけどちゃんとの写真が増えるのは嬉しいので大人しく撮られることにした。
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