第14章 初恋の君と (角名倫太郎)
放課後はちゃんと2人並んで部活へ行くのが何となく当たり前になりつつある。ちゃんの支度が終わってなかったら俺は絶対待ってるし、逆に俺が寝てたりするとちゃんは起こしてくれるし俺の支度が済むまで待っててくれる。
中学のときもそうだったな、なんて思い出してるのは俺だけなんだろうか。そう考えると想いを伝えるチャンスは今まで何度もあったかもしれない。
『ごめんねお待たせ!』
「ううん、行こっか」
今日も俺のジャージを手に部室へ向かう彼女。このままずっと俺の着てくれればいいのに。
『今日も借りちゃってごめんね角名くん』
「いや、むしろ借りてほしいくらいだから全然いい」
『え?』
「あ、いや…まあ、気にしないでってこと。」
やっばー。攻めすぎた気がする…。
「そういえば。俺夜行バスのチケットまだとってないんだけどちゃんもう予約した?」
『それなんだけど私まとめて角名くんの分も往復予約したから大丈夫だよ。言い忘れてたごめんね』
「まじ?めっちゃ助かります。ありがと。」
チケット取ったってことは大マジじゃん来週末…緊張してきた。正直地元の友達に会うのとか全然どうでもいいんだけどね。
『角名くん来るって連絡したら皆喜んでたよ』
「誰が来るの?」
『男バレほとんど来るんじゃないかな』
「ふーん。じゃあ女の子ちゃんだけ?」
『そうだね』
うーーーわ良かった。行くって言って良かった。ちゃん1人であの男だらけの空間には行かせられない。ちゃんのこと好きなやつだって何人かいたしね。