第14章 初恋の君と (角名倫太郎)
「あ、そや。ストーリーあげよっと」
侑がスマホを構えて俺たちに向ける
「もっと寄って〜」
その言葉をいいことにちゃんとの距離をぐっとつめる。髪が触れてしまうほど近くまで顔を寄せて侑のスマホにピース。隣の彼女も満面の笑みでピースしてる。可愛い。いい匂い。
「はいチーズ、おっけー!」
一斉に届いたメンション通知を開いて写真を確認すると "昼飯も一緒!" の文字。俺は朝の登校ストーリーに続きちゃっかりスクリーンショット。
『侑くんお昼誘ってくれてありがとう楽しかったあ!』
「良かったわあ!また皆で食べよな!」
『うんっ』
「チャイムもうすぐ鳴るやんな。戻ろか」
銀の一言で広げていたものを纏めて教室へと戻る。ここへ帰ってきても席は隣だし最高すぎるのなんのって。
『侑くんはストーリーたくさん載せるんだね』
「普通くらいだよ。多分ちゃんがマネになったから女マネいること自慢したいだけでしょ。」
『そうなの?』
「せやろなあ」
『治くんか言うならそっか?』
メンションされたストーリーを眺めながら不思議そうに納得する彼女。
「あれ、今ってまだ仮入なんやろ?」
『うん、北さんにそう言われてる』
「決定ではないんや?」
『来週には入部届け出そうかなって思ってるけど…きっとあれだよね北さんからお許しがでないとだめだよね」
「まあ多分せやなぁ。でもちゃん来てから色々快適やねんな。角名も調子ええし絶対マネなってや!」
『そんなこと言ってくれて嬉しい…!』
ちゃんとまたバレーができるとか幸せすぎて無理。北さんも仕事早くて助かるって言ってたしきっと平気。