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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第14章 初恋の君と (角名倫太郎)



「ちなみにいつ行くん?」

『来週の土曜日だよ』

「なにで帰るん?」

『夜行バスだよ〜金曜日の夜に乗って行って実家でお風呂入ってちょっと寝て…集まりは午後からだから少しゆっくりしてから行くかな』

「やって角名」

「うん。え、俺も一緒に夜行バス乗っていいの…?」

『うん?なんでダメなの?』

「え、いや…なんとなく…?」

ニヤニヤニヤニヤしてる侑の顔が視界に入るけどそんなの気にしてたら負け。心臓の音すごいんだけど。ちゃんと夜行バスで愛知まで?マジで言ってる?数時間隣同士ってこと?え、え、え?やばいニヤケそう堪えろ…。

「良かったやん角名ぁ〜」

「侑だまって」

「急に真顔になるん怖いでやめれる??」

あーまってなにこの浮遊感。やばい。一晩中一緒って半泊まりじゃない?早く来週になれ。

この日はいつもよりブロックが冴えてた気がする。
珍しく北さんが褒めてくれたし。しかも笑顔で。
ある意味怖いけどでもまあ…調子いいなって自分でも思った。ちゃんが見てると思うと頑張れるのちょろいな。

「角名今日ブロックハンパないやん。全然決まらんわ」

「ありがとう」

「昨日もやったけどちゃんおるようになってから角名調子ええやんな!」

「ギン!ほんっと黙って!」

こいっっつ許さない!昨日から無害そうな顔して…ちゃんにバレるだろ!俺から言いたいんだよ!!

『角名くんのブロックはやっぱり打点が自由自在ですごいね。また近くで見られて嬉しい!』

「あ…ありがとう…っ」

「なに照れてんねん」

「うるさい」

「真顔やめれる??」

ちゃんに褒められた…嬉しい。
中学のときだっていつも褒めてくれてたっけ。スランプに入っても励ましてくれて、嫌な顔ひとつせず自主練に付き合ってくれて、調子が戻ると自分の事のように喜んでくれた。そういうところが好きだったんだよなぁ。
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