第14章 初恋の君と (角名倫太郎)
扉と自分の隙間に彼女を入れて少しでもサラリーマンたちから遠ざける。
『あ…少し楽になったありがとう…』
「気分悪くなったらすぐ言って」
『私は大丈夫だけど角名くん辛くない?』
「俺の事はいいから。」
すっぽりと覆えてしまうほどの小さな身体。これ昨日1人で乗ってきたんだよね。これからは俺が守らないと…とか彼氏ヅラきつすぎるかな。
『っふー、満員電車慣れなきゃなあ…』
「向こういた時はチャリ通だったんだっけ」
『そうそう、だから満員電車なんてほとんど乗ったことなくて…今日は角名くんがいてくれて助かりました。』
「ちゃんさえ良ければ俺は本当に毎日でも 「あれ!角名やーん!!」
『あ、侑くんだっ』
ねぇもう!今いいとこだったのに!!
さいっあく侑!
ていうか侑のこと名前呼びかよ!
「ちゃんおはようさん!角名と一緒に来たん?」
『ホームでたまたま会ったの!』
「満員電車やばかったんちゃう?大丈夫やった?」
『角名くんが守ってくれたから全然っ』
「へーえ、角名やるやぁん!」
まじ最悪侑。これ一瞬で広まるやつだ。
―――
「今日ちゃんと一緒に登校してきたんほんま?」
「誰から聞いた」
「あつむ」
「あークソっ」
部室に入るなり銀が興味津々に聞いてくる。
「えー倫太郎くん怒ってるん?どないしたーん?」