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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第14章 初恋の君と (角名倫太郎)



「あ、ねえ。ちゃんてなんで転校してきたのか聞いてもいい?」

高2で転校なんて変なタイミングだし、聞かれたくない事だったら速攻謝ろ…。

『お父さんの転勤だよ〜ありきたりなやつ!』

あ、良かった。普通なやつだった。

「でもせっかく受験して高校入ったのに愛知残らなかったんだ?」

『うーん、そこまで必死に勉強してた訳でもないし。それに稲荷崎はバレー強いでしょ。角名くんがいるのも知ってたし別に転校自体は全然嫌じゃなかったんだよ。むしろ新しい環境わくわくって感じ!』

俺がいるから転校に前向きなんだと捉えてしまうのは頭がお花畑なんだろうけど、そういうことにしとこ。人生勘違いしたもん勝ち。都合のいいように解釈して楽しく生きていかないと。

『バレーしてるとき以外はふざけたりしてるのに、部活始まると別人みたいにプレーしてて皆ほんとかっこよかった。』

「侑のギャップ半端ないよね」

『うん、かっこよかった!サーブ凄かった!セットアップも綺麗だったし高校ナンバーワンセッターって言われてるのも頷けるなあ。』

「あれ、侑のこと知ってたの?」

侑のことかっこいいとか言ってるよ…いやかっこいいけどさ。うちわ持ったファンとかいるし…ちゃんには俺の事見て欲しいとか思っちゃうよね。

『名前だけね!高校ナンバーワンセッター宮侑くん。双子の治くん。最強ツインズ宮兄弟…有名だよね。すぐ気づけたはずなのに顔まではちゃんと覚えてなかったから失礼なことしちゃったなあ…。』

「まあ侑だし。気にしなくていいでしょ」

『角名くんの活躍もちゃんと知ってたよ。向こうにいたときからすごいとは思ってたけど、稲荷崎でも活躍しててほんとかっこいいなぁ…』

ちゃんからのかっこいい頂きました。まっじで幸せ。録音すりゃ良かったな。
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