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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第14章 初恋の君と (角名倫太郎)


「ちゃんは角名が稲荷崎おるって知ってたん?」

『もちろん!高校でも活躍しててすごいなあって思ってたよ』

「へえ!ほんなら角名のこと追いかけてきたん?」

『さすがにそれはたまたまだよ〜笑 同じクラスになったのはびっくりしたけどね!』

俺の前を歩くちゃんは侑の質問攻めに合ってるし、銀と治は俺に質問攻めだし、ほんと聞こえるからやめて欲しい。

「角名はいつから好きなん?」

「いや…俺の話どうでもいいでしょ。」

「良くないやろ!角名本人の恋バナなんて聞いた事ないねんから気になるやん!」

「…中一んとき。俺愛想とか良くないし目つき悪いとかよく言われるでしょ。でもちゃんは一発目からすごい笑顔で話してくれてなんか…すごい嬉しかったんだよね。」

「一目惚れなん?」

「まあ。ほぼそうかな。」

「告白してへんの?」

「何となくで分かる思うけどちゃんて人当たりいいし人気者でさ。それに振られて話せなくなるならプレイヤーとマネの距離感のままいたかったから。」

ちゃんの話をこうやって誰かに話すのは初めてかもしれない。こっちに越してくるときにそういう気持ちとか全部置いてきたつもりだったのに。告白されるたび、断るたび俺はまだ彼女への気持ちを消せてないんだなって気付かされてた。もう会えないかもしれないのに。

自分の中で諦めがつくまで好きでいようと思ってた矢先の大事件。諦めるどころかチャンスかと思ってしまう。

「今回は角名の気持ち伝えられるとええな?」

「…うん、そうだね。」

もう、諦めてあげない。
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