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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第14章 初恋の君と (角名倫太郎)


『あれ、まだみんな帰ってなかったんだ!』

「おかえり。北さんと何話したの?」

『今日どうだったかと、明日からどうするかとかかな』

ぶかぶかのジャージをまとって現れた彼女にドクンと心臓が跳ねる。

「ちゃん俺らのマネなってくれるんやろ!?」

『うん、北さんにはそう伝えたよ!』

また、一緒にバレーができる。
俺の日常にもう一度色がついた瞬間だった。

『じゃあ私北さん待たせてるから行くね!』

…え?

「え、待って北さんと帰るの?」

『時間遅いから途中まで送ってくれるって言ってくれて。明日からは皆と帰りなよーって言われた。』

「俺らいるけど?」

『まさか残ってるとは…です。』

すたこらさっさと俺らの間を抜けて北さんの元へとかけて行く彼女。こんなのってあんまりだ。

「角名追いかけんでええの」

「だって北さんいるんでしょ。」

「俺らが残ってるん知らんかったから北さんが送る言うたんやろ?」

「うん…けど」

「けどちゃうわ!しゃあなし!ここは侑くんがひと肌脱ぐわ!」

彼女を追いかけて飛び出した侑を俺達も追いかける。

「北さん!お、アランくんもおる!」

「侑やん。なんやまだ残ってたんか?」

「いやぁ、その。ちゃん2年やし帰りながら親睦でも深めよかなあ思うて待っとったんです!」

「そうやったん?なら俺らより侑たちと帰った方が気も楽でええやんな。ほなさんまた明日な。侑たちもまた。」

「お疲れ様でした!!」

追いつく頃には侑とちゃんが2人でいて、北さんはアランくんと歩いていた。
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