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誰がために

第2章 デビュッタント


デビュッタントは王城で行われる。

「今日はデビューする令嬢も多いとか。」

「ええ、一番注目されているのはクライン家の令嬢ですよね。」

興味があったのかと小さくイザークが驚く。

「彼女の婚約者はもう決まってい流らしいですね。」

「そうですか」

冷たい返事に困ったようにイザークは笑みを浮かべた。

会場には多くの人物が既に集まっていた。
一番人だかりができている場所の中心に桃色の髪の毛の柔らかい空気を纏う美少女がいた。
エスコートされる手に力を入るのを感じ隣を歩くイザークをみる。
彼の視線は同じ美少女を見ていた。

思わず口を開いて名前を呼んでみようとしたが、口をつぐんだ。

「彼女がおそらくクライン家の令嬢ですね。」

それはいつものような作った笑顔ではなく、優しい笑み。
胸がずきんとしたような気がした。

「そのようですね。」

「よ、イザーク!」

後ろから陽気な声が聞こえる。

「ディアッカ、、!」

仲はいいがつるんでいると知られたくないやつだ。

「よ!初めまして、あなたがイザークの婚約者ですか?」

丁寧な言葉だかディアッカの軽い雰囲気は隠せない。

「おい、ディアッカ!」

普段取り繕っている姿とは全く違うイザークを見つめる。
これが本当のイザークなのだろう。

「ちょっと借りるぜ」

「おい!ちょっ、、ディアッカ!」

無理やり連れて行かれるイザークを眺める。
今日は壁の花になるかと会場のはしに移動する。


「おい!ディアッカ!何して、、!

「いいから、いいから。お前あの子とまじで結婚すんの?合ってないぜ。」

「そんなのはどうでもいい。家同士のことだ。」

「今日は一緒にいない方がいいぜ。」

「なぜだ?」

「それよりさ、あの子みたか?クライン嬢、めっちゃ美人だぜ。」

イザークは呆れたように大きくため息をついた。

「それだけのために呼んだのか?」

イラついたように腕を組む。

「でもお前、見惚れてたじゃん。」

ぴくりと眉が吊り上がる。

「なんだと?」

「いいのかなって、お前このまま婚約して、結婚しちゃって。」

いいに決まっている!思っているはずなのに、言葉にできなかった。

「うるさい、お前には関係ないことだ。」

ディアッカの手を払いのけてアリシアを探す。
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