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誰がために

第2章 デビュッタント


「まぁまぁお嬢様、、!!ご主人様達が生きていらしたらどんなにお喜びになることか、、!!」

今日のため朝から念入りに手入れされ飾りつけられたアリシアを見て感嘆の声をあげる。

シルクをふんだんに使った白いドレス。
スカート部分の膨らみは大きければ大きいほどいいとされる。
部屋から出れないのではと思うほど豪華だ。
スカート部分はただの無地ではなく細かな刺繍そしてボタンの代わりに真珠が縫い付けてある。

「そして、これは今朝届きましたよ。イザーク様からのプレゼントですね。」

満面の笑みで髪飾りを取り出す。

「まぁなんて素敵なんでしょう」

周りのメイド達もうっとりしている。

確かに美しい
レースとシルクが重なり合った美しいリボンだ。
そしてこちらにもパールがあしらわれている。
色味の華やかさはないが様々な素材がふんだんに使われているため質素に見えない。

「ささ、イザーク様も来られますから。」

うっとり眺めているメイド達に専属の侍女が声をかけ、また慌ただしく動き出す。

「さぁ、できましたよ。」

そっと椅子から立ち上がると、メイド達から小さい歓声がもれる。

「今日は愛想良くしてくださいね。イザーク様も大切にしてくださっているのですから。」

返事をするこのなくじっと鏡を見つめる。

「イザーク様が見えましたよ。」

またもやメイド達が小さく歓声を上げる。

美男美女のカップルが揃った姿を想像して思わず顔が緩む。


「これはこれは、、いつも以上に美しいですねアリシア嬢。」

階段を降りてくるアリシアに手を伸ばす。

「ありがとうございます。」

差し出された手を素直に受け取る。

「緊張していますか?」

「はい。」

そんな様子には微塵も見えないと思いながら優しく微笑んでみる。

「あんなに素敵な婚約者様なのに、どうしてお嬢様はあんなにぶっきらぼうなのかしら。」

「さぁ、、やっぱりご主人様達がいなくなったのが大きいんじゃない?」

キッとアリシアの侍女が睨むとコソコソ話していたメイド達は慌てて口をとじる。

だが考えることは次女も一緒だ。
お嬢様には幸せになってほしい。

いつになったら彼女の笑顔がもう一度見えるのだろう。
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