第2章 気付けば廃墟の中で
『こちら本部、A班聞こえるか?』
『こちらA班、ばっちり聞こえてるぜ』
『B班、そっちは?』
「……………」
『おい、恭弥……』
「こっちも大丈夫だ、ディーノ。問題ない」
『ヒロか。了解だ』
機械的な雑音が混ざる会話の中、ヒロは一向に問いかけに応えようとはしない人物からトランシーバーを奪い取ると、手短に用件だけ伝える。
そして近くにいた別の黒いスーツを纏った男に投げ渡すと、元の持ち主を見た。
雲雀恭弥、22歳。
ボンゴレファミリーの雲の守護者にして、ボンゴレ最強の戦闘力を誇る持ち主。
そしてもう一人。
雲雀ヒロ、20歳。
恭弥の弟であり、ボンゴレファミリー大空の守護者専属の従事者。
現ボスである綱吉のみに付き従う者だ。
だがそれを兄の恭弥が許す筈はなく、ヒロはいつも恭弥と行動を共にしていた。