第3章 集会
凍り付いたような空気の中、その場を後にして単車の方へ歩いていくうちに
少しずつ冷静さが戻ってくる
それと同時に
自分がとても感情的になっていたことを自覚した
集会は既に解散していて、下の奴らが帰った後だったとはいえ
副隊長である八戒の前で示しが付かない事をしてしまったと小さくため息をついたオレに
場地が声をかけてきた
「…らしくねーじゃんかよ、三ツ谷ぁ」
「…………悪ィ………つい…カッとなっちまった…」
「………ま、たまにはいーんじゃね?……面白れーもん見してもらったワ」
「……」
「…てか……オマエがいってなかったらオレがぶん殴ってたし」
「……場地…」
「そりゃそーだろ。…マイキーのヤツはよぉ…その〜…デリカシーっつぅの?…それが全然ねーんだよな」
場地の口から意外な言葉が出てきて
思わず笑ってしまった
「…フフッ…」
「あ゛⁇…何がおかしいんだよ」
「…いや……クスクス……場地がデリカシーとか言うからさぁ…」
「うっせー!殴んぞテメェ」
「アハハ…悪ィ悪ィ」
笑っているオレを見て場地も笑顔になった
その時、頭の中に
泣きながらひとりで帰り道を歩いているリンの姿が浮かんだ
「……マイキー…ちゃんとリンに謝るかな…」
「…どーだろ。…アイツ…オレ以上に意地っぱりだからな…」
「……」
「ま、このまま放っとくっつーなら…元々リンをその程度としか思ってなかったって事だ」
「……」
「そん時ゃオレらでリン慰めてやろーぜ♪…好きなモンでも奢ってやりゃ機嫌直んだろ」
場地は笑いながらオレの肩をポンと叩くと
「じゃーな。お疲れ」と言って皆の所へ戻って行った