第3章 集会
中学を留年している場地は
1歳年下のリンと同中でクラスメイトだった
何の偶然か教室の座席も隣同士だそうで
ツーリングの日に知り合って以来
成績が学年トップの彼女から勉強を教えてもらうようになったらしい
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「スパルタ先生のおかげで初めて赤点まぬがれたワ…追試も補習も無ぇって楽だな千冬ぅ♪」
「ウッス!場地さん、リンちゃんからビシビシやられても…めげずに頑張ってましたもんね!」
「…アイツ…勉強となるとオレに厳しいんだよな……それ以外のことじゃ、割とフワッとしてんのによぉ」
「優しくすると場地さん言うこと聞かねーからじゃないスか?」
「あ?」
「…いや、何でもねっス……成績上がってリンちゃんも喜んでましたね!」
「おー♪あんな嬉しそうにされたら、オレも気合い入れた甲斐があったってモンだワ」
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たまり場で千冬とそんな話をしている場地を見た時
コイツもオレと同じような感情を持っているんじゃないかと思った
場地とオレとは性格が全然違う
人との付き合いに計算などしない場地が
リンに対しての想いを割とあからさまに表しているのは
きっと無意識なのだろう
オレは
そんな場地が少し羨ましいと思った