第3章 集会
男女の関係は
男同士のように単純にはいかないらしい
リンに対しては
マイキーの強引さが裏目に出てしまったようだった
ツーリングから数日後
初めて東卍の集会に顔を見せたリンは
マイキーから突然キスされ
泣きながら帰ってしまった
その時
オレは弐番隊を率い
場地の壱番隊と共に近くを流している最中だったためその場に居なかった
巡回がてら東卍の縄張りを軽く一周したあと
再び武蔵神社に戻り
リンが先に帰った理由を聞かされた
「……冗談でキスしただけなのに…アイツ初めてだったみたいで……泣き出しちゃってさ………参ったよ…」
照れ隠しのつもりか苦笑いしながらそう言ったマイキーにオレは無性に腹が立って
気が付いた時には掴みかかっていた
「…冗談?……リンはもうオレらの仲間だろ⁉︎…冗談で仲間傷つけてんじゃねぇよ!」
周りに居た奴らに止められ
実際に殴るまではいかなかったが
突然のキレた態度にマイキーの方も腹を立て
オレ達は至近距離で睨み合った
「…何?三ツ谷……オマエ…アイツの何なの…」
チームの総長であるマイキーに対して皆の前で逆らうなど許されないと
普段のオレなら当然理解していた
けれど
どうしても我慢が出来なかった
オレは必死な顔をして抑え付けてくる八戒の腕を振り払い
マイキーを真っ直ぐに見据えて言った
「……リンに謝れ…」
「…は?…何でオマエにそんな事…」
「謝れ」
「……っ…」
マイキーは
それ以上何も言わなかった