第1章 過去
_____寒い
もう3日もろくな物を食べてない
季節は真冬。
手足が悴んで吐く息が白くなっていく
影の隅で静かにひっそり暮らすのも
3日も経てば少しは馴染むものだった。
道を通る人は幸せそうな家族が多かった。
昼こそ家族が連れてこの道を歩くことは多かったが、夜となると足を運ぶ人も少なくなる。
私がこんな生活をしているのにも
理由がある。三日前両親にここに捨てられた
いわゆる捨て子だ。
別に捨て子は珍しくは無い。
私だって何人も見てきた
ただ、自分が捨て子にされると
少し悲しいものだった。
両親といっても血は繋がっていない。義理の両親だ。
義理の祖母は傍から見ても私のことが嫌いなのが分かった。
その日が初対面にも関わらず、嫌そうな目で私を見た。その目はまるで化け物を見る目のようで今でも覚えている。
「この子は不吉だ。私たち家族を闇へ陥れる」
私に指をさしながらそう言った。
私がそう言われたのは自分自身の容姿のせいでもある。
私の肌の色は白く、また髪も真っ白であった。
それに加え目は緑、黄色い瞳孔は猫のように縦長だった。
初めのうちは両親も「何を言っているんだ」と祖母の言葉に聞く耳を持たなかった。
だが、私が家に来てから起こる不可解な出来事に
少しづつ不安が重なっていった。