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高嶺の花

第1章 始まりは突然に


「耀哉様、千栞さんをお連れしました」

「あまね、ありがとう。千栞、入っておいで」

あまねさんが襖をピシャリと閉めて輝哉さんという人と私は2人きりになった。

『あの私になにか御用で…?』

その人はおテゴ辺りまで青紫色になっており、何かの病気にかかっているみたいだった。

「改めまして千栞、初めましてだね。
君の夢の中で会うのは3回目だろうか。」

『えっ?』

あまりに突然のことに素っ頓狂な声が出た
夢の中?この人は私が夢の中にいるってことを知っているの?

『あの、全くもって訳が分からないんですけど…』

「君は暮坂千栞、そうだね?」

『…はい、暮坂千栞です』

本名まで言い当てられてしまった
ここまで来ると普通の夢でした、なんて信じられなくなる

「ここは産屋敷邸。私の家だ
千栞は私の妹としてここに幼い頃から住んでいるんだよ。」

『私の家はここじゃないです。
一戸建ての極普通の家で暮らしてて…』

私は暮坂家に生まれた正真正銘暮坂家の長女だ。
保険証もあるし、家系図もある

「 今 の君は暮坂千栞
そちらの世界では鬼が居なくなり、夜でも安心して出歩くことができる。違うかな?」

『鬼は出ませんけど…夜はある程度出歩けます』

鬼に対して少し引っかかる所があったが、深夜遅くなければ中学生の私はある程度出歩ける

「鬼が居なくなったのか…鬼舞辻を倒せたという事だね。」

『きぶつじ?』

私は輝哉さんにこの世界のことを教えてもらった。
鬼舞辻無惨という宿敵がいること、
ここには夜に鬼が出るということ、
そしてその鬼を斬るために 鬼殺隊 という隊があること…

『私とここの世界の繋がるところが何一つないのですが…』

「あるよ」

(あるの?!)

「君には亡くなった祖母が居るはずだ」

『居ます…けど祖母は私が幼い頃に亡くなってしまったのであまり詳しいことは…』

「千栞のお婆さんの名前はセツ
私の古き友人の娘さんだ。」

『古き友人…?』

「そう、幼い頃からずっと一緒だった。
彼は鬼殺隊の事も知っていたし、隊士にはならなかったが私の良き理解者だった。
もうすぐ時間だね、押し入れの奥の方にセツが書いた日記があるはずだ。
それを探すんだよ千栞」

『ちょっと待ってくださ_____』






千栞は強制的に夢から追い出されることになった


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