第1章 始まりは突然に
ピピ、ピピピ、ピピピピ_____
「起きろ〜!!」
朝からうるさく怒鳴る母親の声。
フライパンとお玉でバンバン叩く音。
それと目覚まし時計の音
_フライパンは叩くものだったっけか、
いや違う。フライパンは調理をするものだ
『絶対起きるから!』とおねだりして買ってもらった可愛い目覚まし時計も今は背景と化している。
『はーい、』
眠気と寒気で朝はあまり起きたがらない私はいつもギリギリの時間まで寝ている。
この日の起床時間は午前8時。
千栞が通っている学校は午前8時15分着席となっている。
私、倉坂 千栞は今年15歳の中学三年生。
俗に言う受験生だ
専業主婦の母と、サラリーマンの父の間に生まれた極々普通の一般的な家庭。
制服に着替え、髪をひとつに結び仏壇の祖母、それから代々の御先祖様に
『行ってきます』と一言いい家を出る。
これが私、倉坂千栞のいつもの日常だ