第11章 二度目の新婚旅行、の巻
「…ありがとね、智くん」
もう一度、その瞼にキスをすると、智くんが寝返りを打った
「ぅん……ん、ん?…翔くん?」
「ごめん…起こしちゃった?」
「ん〜……今何時?」
「今?」
時計を見ると、まだ夜中の2時
随分中途半端な時間に目が覚めてしまったものだ
「…まだ2時だよ(笑)」
「そぅ…具合は?どう?」
「うん、さっき熱計ったけど、随分下がってたよ?
体もだるくないし、もう平気」
「…本当?」
智くんが伸びあがって、俺のオデコに自分のオデコをくっつけた
「ん〜、そうだね…そんなにナイみたい……んっ///」
目の前の可愛い唇に、吸いつく俺
「ん、んぅ///」
「智くん……本当に何にもされなかったの?」
「……え?///」
警察で智くんが話した所によれば、暴行されそうになって逃げ出したって事だったけど…
「…どうして?」
「ん…何となく…心配だったから」
もしそうだとしたら、また一人で背負いこんで我慢してるんじゃ…
「…本当に聞きたいの?」
「へ?」
智くんの瞳が水分を含んでゆらゆらと揺れていた