第11章 二度目の新婚旅行、の巻
「ΣMichel!!」
女の子が慌ててその男に駆け寄る
俺は男の手から離れて崩れ落ちた智くんを抱きかかえた
「智くんっ!しっかりしてっ!!智ぃっ!!!」
でも智くんはピクリともしない
見れば息もしていなかった
「智くんダメだ!ぜってー死なせるもんかっ!!」
俺は智くんを膝の上に乗せて鼻を摘むと、深く吸い込んだ息を智くんの口の中に吹き込んだ
「智くん!」
ふーっ
「戻って!!」
ふぅーっ
「智っ!!」
ふぅうーーっ
「ぅっ……ゴホゴホゴホッ!!」
「智くんっ!!!////」
激しくせき込んで、智くんが薄っすらと眼を開けた
「…しょ、ぉ…くん?」
「智くん!!良かった!!…よ、よがっだっ…!!!」
感涙で咽ってまた鼻水が垂れる
涙と鼻水まみれの俺の顔を、智くんの綺麗な手が包む
「…しん、じ、てた、ょ…しょ、くん、が…きっと…たす、けに…きて、くれる…って…」
「ぶえぇーーん!!ざどじぐぅうーーーんっ!!!」
俺は愛しい人を抱いて豪快に泣き続けた