第11章 二度目の新婚旅行、の巻
「…凄く、綺麗な子で…
私の大学時代の友人だったのですが、昔から英国に住むのが夢だったって言って
大学を卒業してからすぐにこっちに来て、大学院に入って…」
そっと眼頭を押さえて、一回ふぅっと息を付くとその人は続けて言った
「…日本語の教師のアルバイトをして学費を稼ぐんだって言ってたんです…
ある伯爵家のご子息の家庭教師として雇われたんだって言って…でも、その御子息と恋仲になって…」
「…反対された?」
「ええ…可哀想に、相当酷い目に遭ったみたいで…
…彼、この公園でその御子息と良くデートしてたんだって…だからその思い出の場所で毒を飲んで…」
「それは……ん?彼??」
俺が怪訝な顔をすると、彼女はちょっと眉を寄せた
「もしかして貴方アンチゲイの方でしたか?」
「いえ…どちらかと言えば逆って言うか…
…僕が今探してる恋人も、男性ですから」
「そうなんですか」
「はい、この人なんですけど…」
俺は智くんの写真を彼女に見せた
「Σ領っ!!」
「……へ?」