第11章 二度目の新婚旅行、の巻
「違う!翔くんはきっと…」
「黙れ!!」
「きゃっ…!!!」
「Michel!!」
彼の手が、僕の首を掴んで締め上げた
「…嘘つきめ…お前も私を騙しに来たんだな…」
「…や、め……て…」
「Michel!!stop!!」
「Shut up!!」
「noッ!!」
アリスが彼の手を僕の首から外そうとして、突き飛ばされた
「…ア、リス…だい、じょ、ぶ…」
「サトシ!サトシ!」
蹲って泣きじゃくるアリス
その姿が、段々滲んで、霞んでいく
(…苦しい…このままじゃ僕…どうしよう…翔くん……翔くん…)
容赦なく締めあげられて、息が止まる
腕を引き剥がしたくても、力が出ない
(…翔くん……助けて……しょお…)
意識が遠のいて消えて行く最後の瞬間に、遠くで翔くんの僕を呼ぶ声が聞こえた気がした