• テキストサイズ

Stay Gold〜翔と智のラブラブ新婚日記

第11章 二度目の新婚旅行、の巻





「……」



黙り込む彼に、更に続けて言う



「僕のさ…話しを聞いてくれる?」

「…話し…?」

「うん」



僕は、彼の渇き暗く閉ざされた心に届くようにと、優しく彼を抱きしめながら話しを続けた



「昔ね…僕がまだ子供だった頃、大好きだった母が亡くなって…一人になった僕は、ある人に拾われたんだ

でも、ある時僕は働いていたお店のお客さんに…無理やり…

…それで…その人の所に居られなくなって…自分から黙って出て行って…

そこでまた拾われて…裏切られて、捨てられて……でもね、そんな僕を神様は見捨ててなんかいなかったんだよ」

「……」

「最後にちゃんと、僕の運命の人に出逢わせてくれたんだ…

…彼に出逢えて…僕、生きてて良かったって…生まれてきて良かったって…思えたから」



僕はちょっと体を離して、無表情で僕の話しを聞いている彼を見た



「…だから…きっと居るって信じてる…神様はちゃんと居て、僕らを見て下さってる…

…だからきっと…」

「知っているさ…神は居る」



僕の言葉を遮る様にそう言うと、彼は自分の体から僕を離した

そして今までとは違う、低く響く様な声で言った



「そうさ、知っている…神は居る…そして、私を見限ったのだ」



彼の瞳が、どんよりと暗い光を放つ



「そんなコト無いよ!神様は誰も見放したりなんかしないよ!貴方にだってきっと…」

「…では、何故お前は此処に居るのだ?」

「……え?」



不気味な薄笑いを浮かべる彼



「お前もまた…神に騙され、見限られたのだ」



/ 1714ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp