第11章 二度目の新婚旅行、の巻
何とか上半身を起こして振り向くと、その紳士は徐に服を脱ぎだした
全身を悪寒が駆け巡る
「や、やめて…本当にもう…勘弁して…お願い…」
「…さあ、おいで、リョウ…僕が、欲しいだろう?
欲しくて堪らなくって、地獄から蘇ったんだろう?」
「やめ…やめ、て…」
逃げようとしたら、脚にも力が入るコトに気が付いた
(…いちか、ばちか…)
僕はふうっと息を吐くと、じっとその人を見詰めた
「…そう、イイ子だね…やっぱり、僕が欲しいんだろう?」
「……」
僕の上にその人が跨ったその瞬間
僕は渾身の力を込めて脚を振り上げた
「えぃっ!!!」
「ΣOuch!!!」
決死の一撃が若い紳士の股間をHit
僕は蹲るその人を押し退けて服を拾うと、必死で走って部屋を出た
廊下に出ると、思った以上に広くて長いその通路に一瞬戸惑う
でも、じっとしている訳にも行かないから、とにかく闇雲に走った
訳も解らず走っている内に、僕は裏庭の様な所に出た
庭の片隅に小屋が見えたので、其処までまた走る
ドアに手を掛けると、幸いにも鍵は開いていた
中に入ると、どうやら其処は庭園を手入れする道具をしまっておく倉庫の様だった
取り敢えず、僕は手に抱えていた服を着た