第11章 二度目の新婚旅行、の巻
翔くんの物では無い手が、僕の背中を撫で回す
その手が、徐々に下の方へ移動して行く
「…それを、忘れてしまう訳がない…」
「お願いだから…お願いだからヤメテ……やめて…」
背中を辿ってお尻の辺りに到達した手が、その割れ目を行ったり来たりしている
もう一方の手が、うつ伏せになった僕の体とベッドの間に侵入してくる
何時かの悪夢の様な記憶が頭を掠める
「…思い出して…リョウ…こうして、愛し合ったろう?」
「あぁっ!!」
僕を掴まれるのと同時に、後ろに鈍い痛みが走った
「うぅっ…うぅぅっ…」
「…どう?思い出した?」
「お、お前、なんか…知ら、ない」
「…じゃあ、コレは?」
無断で侵入した指が、更に奥へ挿し込まれる
「ぅああっ!!」
「…どうだい?思い出した?」
「ぅ、ぅ…なに、したって…同じ、だよ…お前、なんか…知らな、い…」
「…そうか…」
「ぅっ!」
挿し込まれていた指が引き抜かれて、その人が立ち上がる気配がした