第11章 二度目の新婚旅行、の巻
その紳士は薄笑いを浮かべると、また僕に手を伸ばした
僕は動かない体を必死に捩って、抵抗を試みる
でも結局その手に掴まれて、呆気なく押さえつけられてしまった
「離して!僕を帰してよ!
僕は“リョウ”なんて人じゃ無いし、自ら命を断ったりなんかしない!!」
「…そうか、覚えていないんだね、リョウ…
きっと、地獄から蘇る時に記憶を無くしてしまったんだ…」
「人違いだよ!僕には翔くんっていう大事な人が居るんだ!
早く翔くんの所に帰してよっ!!」
少し体の自由が効く様になったので、僕は必死に体を反転させてベッドから這い出そうとした
それを後ろからまた押さえつけられる
「…記憶を無くしていても、きっとそのカラダは僕を覚えているよ、リョウ…
何度も何度も、愛し合ったろう?」
「嫌だヤメテよっ!!離せぇっ!!!」
「…思い出させてあげるよ…リョウ…僕の可愛い仔鳩」
背中を押さえつけられたまま、着衣が剥ぎ取られる
「いやぁーーーっ!!!」
「…相変わらず、綺麗だね…
日本人の肌はみんなキメが細かくて綺麗だけど、君の肌は特別だよ
…まるで、シルクの様だ…」
「お願いヤメテ!僕はリョウなんて人じゃない!違うんだったら!!」
「…君が、日本語の家庭教師として僕の家に来た時、僕は運命を感じたんだ…
…この人と僕は結ばれる運命なんだって…それを…」