第11章 二度目の新婚旅行、の巻
「智くぅ〜ん、お待たせぇ〜っ!……って、アレ?」
急いで濡れたティシュ片手に戻ってくると、其処には愛しのハニーの姿は何処にも見当たらなかった
「え?…何処行ったのかな?」
智くんは英語が全く解らないみたいだったから、一人で何処かへ行く様なことはちょっと考えられないし
その辺をブラブラしてるにしたって、結構見通しが良い場所だったから、全く姿が見えないのも有り得ない
「うそ…なんで、居ないんだ…?」
焦って携帯に電話を掛けるも、繋がらない
イヤな汗がダラダラと額を伝う
「う、嘘だろ…ま、ま、ま…まさか…」
(ゆゆゆ誘拐とかかっ?!)
先日の電話で亀が言っていた台詞が頭を過る
『可愛い東洋人の男なんて、油断してたらとっ捕まって食われちまうから、気を付けろよ』
「Σひぃいーーーっ!!」
たたた大変だっ!!
俺のハニィーがっ!!!
俺のスィートエンジェルがぁっ!!!!
「さぁーとしくぅうーーんっ!!くわんぶわぁっーーーくっ!!!」
俺の必死の雄叫びで、俄かに人が集まって来た