第11章 二度目の新婚旅行、の巻
元々、急遽決めた旅行だったし
特別コレと言ってドコソコを観光しようと言う計画があった訳では無かったんだけど
翔くんなりに色々プランを練って居たらしく
今日は午前中はゆっくり家でくつろいで、お昼ご飯をお弁当を持って近所の公園で食べる事になっていた
公園と言っても、お砂場やら滑り台がある様な所では無く
其処は芝生を敷き詰めた広場に点々とベンチが設置されていて
周りをぐるっと木が囲んでいる公園だった
僕らはそのベンチの一つに腰掛けると、サンドウィッチの包みを開けた
「そんなに大きな公園じゃないけど、結構イイ雰囲気でしょ」
サンドウィッチを摘みながら翔くんがちょっと得意気に言った
「うん、静かだし、落ち着いた雰囲気で素敵だね」
「でしょ〜♪」
満面の笑みでサンドウィッチを頬張る翔くん
「ふぁとひふん、ひほもみひらいりゃかりゃとおもっふぇ!」
「…だからね、翔くん。
ごっくしてから喋んなきゃ駄目でしょう?」
僕は翔くんのお口からはみ出したレタスを笑いながら押し込んだ
「んむっ……ごくっ。
はぁ、ゴメンゴメン」
「で、何て言ったの?」
「ん?…あぁ、智くんは人混み嫌いでしょ?だからさ、こうゆう風にのんびり出来る方が良いと思って」
「僕の為に考えてくれたの?」
翔くんは嬉しそうに笑いながらまたサンドウィッチを摘むと僕の口の前に翳した