第11章 二度目の新婚旅行、の巻
それから車に揺られるコト暫し
俺と亀は久しぶりに会った事もあって、昔話で盛り上がっていた
「…南国って、どちらに行かれるんですか?」
智くんはそんな俺達の話しをニコニコしながら聞いていたのだが
ちょっと話しが途切れると、少し遠慮がちに亀にそう訊いた
「マレーシアですよ。
クアラルンプールに一週間滞在する予定です」
「あれ?10日じゃないの?」
亀が10日間留守にするって言ったからそれに合わせたのに…
「あぁ、どうしても外せない用事が出来ちまってさ…だから、残りの三日は家で一緒に…」
「べべっ…別荘借りれないかなっ?!」
「…え?」
(亀と智くんが三日も一つ屋根の下なんて絶対有り得ないぞ?!
入れ違いだから安心してたのに、冗談じゃない!)
俺は智くんの腕を掴んだ
「ね、ニノにお願いしてさ、きっとゴージャスな別荘だよっ!!」
「そりゃ、まぁ、ゴージャスだろうね…なんか、マナハウスだって言ってたし」
「マナハウス?」
「ん〜、何かねぇ、昔の貴族の別宅を改装して別荘にしたんだって…要は、小さなお城らしいよ?」
「Σおっ…お城?!」
ニノ…どんだけボンボンなんだ?!
「へぇ…別荘でマナハウス持ってるなんて、随分お金持ちの知り合いが居るんですね」
「うん。でもね、本人は物凄く貧乏性で、けちなんだよ(笑)」
「……(苦笑)」
ニノのコトそんな風に言って許されるのは世界に智くんただ一人だけだろうな(笑)