第11章 二度目の新婚旅行、の巻
「イギリスに友達が住んでるなんて、初耳なんですけど」
二人の愛の必然(笑)をたっぷり確め合った後
漸く夕飯にありついた俺の為に、智くんがお代りのクリームシチューを皿によそりながら言った
「そうだっけ?…あ、有り難う♪」
「うん、聞いてないよ?」
そう言って、先に食事を終えた智くんが食後のカフェオレをすすった
「ふぁなひゃなひゃったっふぇ?」
「…だから、ごっくんしてから喋んなさい」
クリームシチューを口いっぱいに頬張って話したので、また怒られた(笑)
「ふぉ〜ぃ……ごくんっ…話さなかったっけ?」
「だから、聞いてないってば」
「大学の時の友達でさ…卒業してからイギリスの大学院に行ったんだよ」
「へぇ…凄いねぇ」
「うん、そんで、向こうで結婚したからもう日本に帰って来るつもり無いんだってさ」
「ふぅ〜ん…でも、急に行ったら迷惑なんじゃないの?」
言いながらカフェオレのマグを両手で挟んでムニムニ弄る智くん
いやいや、何しても一々可愛いし(笑)
「大丈夫だよ、たしかクリスマス休暇は毎年南国に行くって言ってたから、自宅は留守にしてるし」
「え?…る、留守のお宅にお邪魔するの?!」
「うん…留守番代りにもなるし、イイんじゃね?」
「…マジで?」
「マジで。」