第2章 本当は仲良くなりたい
2人がそう話しながら登校すると、彼女の友達が2人を見て
驚いた表情を浮かべて駆け寄ってきた。
「あれ?椿姫と竹谷君?!」
「あ…おはよう。」
「2人して登校してたの?」
「うん…途中で会って、それで…」
椿姫はシドロモドロになりながら、友達にそう答えた。
「私が…「途中で俺が声をかけたんだよ。」」
そう椿姫の言葉を遮ったのが八左ヱ門だった。
椿姫は、少し悪露退いて言葉を飲んだ。
「そうだったんだ。」
「え…え…?」
「じゃあ、神崎。俺動物小屋に行くから。じゃあな!!」
八左ヱ門はそう言い残して、颯爽と去って行った。
「竹谷君…、何で…」
八左ヱ門が何故『自分が誘った』と言い、庇ったのかを
椿姫は理解できなかった。
「椿姫って…竹谷君苦手じゃなかったっけ?」
「あ…そう、なんだけど…」
そうだ。確かにそう話していた筈だった。だが、実際には
普通に接する事が出来た。しかも、自分から…。
「椿姫、本当は竹谷君が好きなんじゃないの?」
「えぇ?!///」
「まぁ…お似合いだと思うけどね。」
友達にそう言われて、椿姫は更に顔を赤くした。
そんな彼女を見て、その友達も『春がやっと来たか』と
ニヤニヤしていた。
「好き…?これが‥‥恋?」
椿姫は熱くなる顔を抑えて、下を向いていた。
そして、予鈴のチャイムが鳴る前に教室へと行き、
自分の席に座った。
その数分後に八左ヱ門が教室へと入り、自分の席に座った。
椿姫はふと八左ヱ門の方を見ると、視線がぶつかった。
「‥‥!!/////」
椿姫と目が合った八左ヱ門は途端に顔を赤くしていた。
そんな彼に、椿姫は口パクで『ありがとう』と言った。
「ありがとう…?あ、さっきのか…////」
八左ヱ門はそれを見て、軽く頭を頷かせた。
そんな彼に椿姫はニコリと微笑んだ。
「【うわ‥‥カワイイ‥‥!!////】」
その微笑みを見た八左ヱ門は心臓が破裂する程の勢いで
バクバクと鼓動を高鳴らせていた。
そうやりとりをしている間に授業のチャイムが鳴り響き、
授業が始まった。
1限目、2限目と授業を受けていき、あっと言う間に
お昼休みのチャイムが鳴った。
教室中が昼食の準備をする生徒達で賑わいでいる中、
椿姫は八左ヱ門の座る席へと近寄った。